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走る!動く!常に動き回るペットを、美しく撮影するコツ【基本編】
そこで、ペット撮影をする際のカメラの設定から撮影まで、基本的なポイントやコツを、プロのカメラマンの視点でご紹介したいと思います。
撮影に準備するもの
- ズームレンズ付きカメラ(レンズ交換式一眼レフやミラーレスカメラがベストですが、コンパクトデジカメでも大丈夫です。)
- レフ版(光を補完するための白いボード)
上手に撮るためのステップ
カメラを設定してみよう
撮影モード
ISO感度
ホワイトバランス
光の強さ・向きをみる
ペット撮影に限らず、光を読むことは写真の印象を決める重要な作業となります。
普段写真を撮る時、逆光だからこっちに立ってとわざわざ順光の向きにして写真を撮られている場合が多いと思いますが、陽ざしのある日の順光は写真の魅力を半減させますので、一番避けたい撮り方です。
というのも、順光では被写体全体に陽が当たり立体感のないベタっとした写真になってしまいます。ペットはその柔らかい毛並みやフワッとした優しい写真に仕上げたいので、むしろ逆光で撮りましょう。毛の色やペットの立体感が上手に撮れると思います。
ただし、カメラを向けた先に太陽がある場合は少しずらして、半逆光にしましょう。うす曇りの日は光が柔らかく回っているのでどの方向でも綺麗に撮れますよ。
また、目も体も黒いペットは逆光の下では顔が真っ黒になる場合がありますが、そんな時は白いレフ版で反射光を顔に向けてあげましょう。目にレフ版が映るだけでも顔の表情として捉えることができますので活用してみてください。
柔らかい日差しが背後から降り注ぐなかでの撮影です。
目も目の周りも黒いワンちゃんですが、手前に広がる明るい空が目に映っているので表情がわかる写真になりました。
手前が建物の陰になっているような場合はレフ版で光を顔に当ててあげましょう。目に白いレフ版が映れば表情が浮き上がってきますよ。
構図の取り方
カメラを漫然と構えてしまうと、ペットの全身を中央にして撮っちゃったりしてませんか?これだと何だか図鑑みたいだし、飼い主の愛が感じられなくなってしまいます。やはり可愛い家族の一員を撮るのですから、可愛いと思う構図をじっくり探して撮ってあげましょう。そして屋外では、奥行きのある背景を探して背景をボカして撮ってあげるとふんわりした幸せの空間を演出できると思いますよ。
ワンちゃんが向いている左を広めに空けてあげること、そして地面に寝そべって遠くの橋をボカして入れることで、
広々した川原の情景が想像できると思います。気持ちのいい休日の午後を感じながら決めた構図の一枚です。
珍しいトカゲのペットです。細長い体を対角線上に置き、力強く這い上がるイメージに切り取っています。
そしてここを選んだのは、背景が濃淡はあるものの緑一色で邪魔なものがなかったからです。
背景をボカすことで主役の存在感・躍動感を一層引き出しています。
アングル
何気なく撮っていると、飼い主目線の上からの写真が多くなってしまいますので、ここはペット目線にカメラを下げたり、あるいはもっと下げてペットの顔を見上げるようなアングルも取り入れてみましょう。アリエッティの世界が広がってきますよ。普段撮らない位置からの撮影が、ハッとする一枚を作りますよ。
床に差し出したおもちゃを興味津々で狙っている猫を、
これも対角線を利用した構図で、猫目線の位置までカメラを下げたアングルで撮っています。
床板の継ぎ目をもう一方の対角線上に置きバランスを取ったので、全体としては傾いた構図ですが、
今にも飛びつきそうな臨場感が出たのではないでしょうか。
普段はお家の水槽にいるトカゲくんなので、外の草むらを楽しむトカゲ目線までカメラを下げてみました。
少し空の光も入れたので、外観を明るく表現できたのではないでしょうか?
ピントの合わせ方
ピントを合わせた場所は、その写真のテーマを示しますので、とても重要です。ですから自分の思った場所にピントを合わせる習慣が大切です。これまでカメラ任せでオートフォーカスしていた方は、思い切って1点にしてみましょう。そしてペットの顔を撮る時はその1点を目に合わせる癖をつけましょう。目にピントが合っていると他が合っていなくても違和感は全くないものなのですよ。
ピントは目に合わせて撮りましょう。
そして目が前後になっている場合は手前の目に合わせるようにしてくださいね。
絞りを決める
カメラの設定で露出優先オートに設定しましたが、これはどのくらいのボカシを入れるか優先して考えるモードとも言えます。背景をあまりぼかしたくない場合は、絞りのf値を大きく(11や16に)、ぼかしたい時は逆に小さく(4や5.6に)しましょう。ペット撮影では可愛く表現したいのでf値は小さくして背景をボカしてみましょう。主役が浮き上がって見えてきますよ。
露出補正を行う
さて写真を上手に仕上げる最後の調整です。一旦試しに撮ってみて主役の顔や姿が暗かったら、露出補正をプラスにして調整します。その結果背景が明るくなり過ぎ(白飛び)してしまうかもしれませんが、それでも構いません。主役が魅力的に見える明るさに調整することがポイントであり、写真を上手に仕上げるコツです。
【露出補正前】
木陰で休んでいるワンちゃん達ですが、カメラは機械的に計算して明るさを決めるので、
背景が明るいと肝心の主役がこのように暗くなってしまいます。
【露出補正後】
主役がしっかり明るくなるように、露出補正をプラスにして調整しましょう。これは+1.3補正してみました。
室内の場合は?
室内でも考え方は同じです。どうしても外より暗くなりますので、ISO感度は高め(800以上)にしてシャッター速度を確認してください。125分の1秒が確保できなかったら、ISO感度を上げていきましょう。そして生活感のあるもの、例えば洗濯物、ティッシュボックス、読みかけの新聞、レジ袋などは可愛らしさを半減させてしまうので、片づけておきましょう。
テーブルに横たわる猫を撮りました。いつものように周りを眺めていますが、
やや下から狙ったのは、部屋が散らかっていて隠したかったからです。
背景を壁や天井にすることで、すっと猫に視点が向かいますし、色の違うライトをボカしてアクセントにしてみました。
窓辺で佇む猫は、その姿が美しく猫らしい姿ですので、是非全身を撮ってあげましょう。
ただし日差しの強い日だと柔らかく撮れないので、曇りの日や夕方がいいと思います。
最後に
実際には動き回ることもあるので状況はかわってきますが、少しずつ臨機に反応できるようになりますので、焦らず落ち着いて頑張ってみましょう。最初は少し面倒と思うかもしれませんが、漫然とした写真から卒業できますよ。
カテゴリ:
(キュートワン) 2017年7月 7日 18:46
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